執事の分際
」のレビュー

執事の分際

よしながふみ

フランス革命のなか

ネタバレ
2023年11月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ ジェラールとジャックと同じ時期。聡明なクロードのお陰で、フランス革命での貴族への弾圧からいち早く亡命できたアントワーヌ。

アントワーヌが生まれるときに屋敷に雇われ、旦那様を慕いながらずっと仕えてきたクロード。白泉社から出ているこちらには、シノワズリが収められており、フランス革命より30年ほと前の出来事として、クロードの叔父の切ない短編がある。シナの血を引くクロード。そのことに触れず雇った旦那様を最後まで看取った。任されたアントワーヌのこと。

たぶん、愛する人の子であり、最初は父のような兄のような思いを抱いていたと思う。だけど、アントワーヌが自分を好いていることを知っても、彼を守るために家の存続を重視した。

革命が起きて、気持ちは決壊。執事の分際では成せなかったことを、「辞めた」ことで一線を越え、支え続けることと愛情を曝すことにしたのだろうな。

亡命先で暮らしていけるだけの財産を稼いできてから、アントワーヌの前に現れた。クロードは男前だ。甘ちゃんなアントワーヌを愛でるため、貴族よりも賢い(笑)

時代に翻弄されながらも、2人で生きていく場所を確保した。映画のようだな。
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