王を統べる運命の子
」のレビュー

王を統べる運命の子

樋口美沙緒/麻々原絵里依

重厚なファンタジーで読み応えあり

ネタバレ
2023年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 稀に見る壮大さ、作り込まれた世界観、人間(ではない者も含めた)関係、神の存在や人の本質など、見どころを一つには絞れないくらい素晴らしかったです。どのキャラクターも印象深いけど、私が一番惹かれたのはセスです。正確には彼の「生きることに意味なんてないけれど、この世界には、生きる価値があるよ」という言葉で、出番はほとんどないのに、存在感だけが異質に神々しい程の輝きを放っているように感じました。
何度も何度も出てくるセスの言葉は、ファンタジーの世界に限らず私たちの世界にも通じる気がして、ずしっと心に響いてずっと残り続けると思います。そんなセスと比べては失礼かもしれませんが、この世界の神の方がよっぽど人間味がある気がして、ちょっと可笑しかったです。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!