君は純愛にふさわしい
」のレビュー

君は純愛にふさわしい

Luria

すごい作品に出会ってしまった、良い

ネタバレ
2023年11月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ オメガバースものの受けは不幸な生い立ちの場合が多いのですが、この作品の受(ゆずき)の不幸加減は他を寄せ付けません。群を抜いて家庭環境と彼を取り巻く人間関係が悪く、彼が抱える苦悩と境遇が不憫で読み進めるのが辛くなるほどでした。オメガ性であることを諦めの境地で受け入れ軽薄そうに、時に自分を粗末に扱いながら生きる受×アルファ性の自分を好きになりきれず、本能に抗う硬派な攻のお話です。
攻は、最初はつっけんどんな態度ですが、優しくて世話焼きで真面目すぎるいい男。受の涙も苦しみも真正面から受け止めて共に考え悩み行動する姿はゆずきが好きになるのも納得です。攻が受を助けるシーンがいくつかあり、そのどれもが攻の人間性が的確に現われる名シーンだと思います。問題を乗り越える度に2人の気持ちが近くなっていくのがわかりました。
第6話と巻末の書き下ろしは、今までの不幸を忘れてしまうほどの愛と幸せに溢れています。攻がデレ全開になるのもかわいかったです。
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