春を見たくなったんだ
」のレビュー

春を見たくなったんだ

温々ぬぬ

めっちゃいい!後編の立読みはしないで〜!

ネタバレ
2023年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●前後編トータル約60P。ネタバレ嫌な方は、後編の立読みはNGです!しっとりしたお話で、少し切なく温かく、きゅんとする。良かったです。(すみません、私はネタバレで以下書かせていただきます…)
●起承転結の「転」がとても良いですね。それがちょうど前編ラストから後編冒頭にかけてなんです。ここを経てもう一度前編の最初に戻ると、「宗司おまえ!」と怒られた時の真嶋の一瞬の間、なんでこんな表情してたのかが分かって、胸がギュッとなります。瞬時に切り返した真嶋の思いも。…冬司はずっと、宗司になりたかったんだ…
●“いい子”の自分は、先生の目に留まらない。やんちゃな宗司の方が気にかけてもらえる。自分のことなんて覚えてないんだろうと思ってたのに、児玉の口から「冬司」の名前が出る。車の座席に残したライターは、わざとだったのかな…「俺、冬司だよ」って、望みを託して。
●教師を辞めた児玉の思い、それが繋がっていくのも良い。小説が大好きで教師になった。でも、受験のレールに乗った生徒には、小説の素晴らしさは伝わらない、伝えられない、不甲斐ない…そうして児玉は教師を辞めた。でも…それが冬司には伝わっていたというのが…!児玉の授業を丸ごと受け止めて、自分も現国の教師になろうと。繋がる思い。さらにまた児玉も、冬司と再会したことで教師としての自分を取り戻す展開。素敵です!
●雪の下で芽吹いていた種、その鼓動、そして来る春。とても良かったです!
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