暗黒騎士様といっしょ!
」のレビュー

暗黒騎士様といっしょ!

笹木さくま/乾和音(artumph)

コメディの良作

ネタバレ
2023年11月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者のかたが物語のリアリティにこだわることが作品のよさにつながらないとの持論をあとがきで述べておられたが、ファンタジーにおいて求められるのは人間の心理的なリアリティであって、事象的なリアリティではないと思う。つまりその場合において人間がそういう判断をすることのウソくささがある物語が面白さや没入感を損なうわけである。
ちなみに、この作品はコメディとすれば成立してるし、それなりに面白いと思う。
ただ、ある程度、まじめなストーリーがあるなかでとなると、かぶとぐらい脱がなきゃならんし、銀行でもそうだし、というはじめから心理的なリアリティを損ねるところがある。フルフェイスのヘルメットをずっと被って歩いてたら完全に不審者の犯罪者だし、それにファンタジーは関係無いと思う。ましてそれで衛兵は街に入れてくれないだろう。一応、他に兜を被りっぱなしの物語はあるけれど、それは基本的な場所が地元で他の地域に行くときは入れる理由をちゃんと付けている。
その辺を別にすれば読めるし、まとまってるし、良作といえる作品ではあると思う。
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