このレビューはネタバレを含みます▼
誰かの特別になりたい社畜リーマン能勢と特別な力が欲しいという願いを忘れて現状に甘んじていたフリーター兼マジシャン寛二が出逢い、それぞれの夢を叶えていくお話。
組織の歯車の一部である事に気づけなかった自分に失望し弱っていた能勢を寛二は得意の手品で励まします。それはまるでプロポーズのように能勢の心に刺さり、翌日寛二のバイト先を訪れた能勢は「君の特別になりたい」と言うのです。もうこれ実質プロポーズなんですよね。
能勢と寛二の性的指向に関する記述はありませんが恐らく2人ともヘテロだと思われます。ただ同性だから云々ということはなくとても自然にお互い惹かれ合って急速に距離を縮めていきます。
と言うか能勢がとても手が早い！初めてキスした場面もそう来るか〜って感じで唸ってしまうくらいヤリ手です。イケメンだしやることなすこといちいちカッコいい。発熱した寛二の額に冷えピタ貼った時の寛二視点の能勢がとても好き。
2人の出逢いの時をはじめこの作品において「特別」がキーワードになっています。出逢ってお互い特別な存在になった2人が、それぞれ自分の特別な場所へ羽ばたいていきます。先に飛び出したのは能勢ですが、それを後押しした夜の場面がとても素敵でした。その時に初めて身体を重ねるんですがいつも温和な雰囲気の能勢がすごく雄味出してて堪らなかったです。
この時も含めエチシーンはあるにはあるけど重要視はされていません。あったらあったで嬉しいけどなくても全然良いなと個人的には思います。
番外編では夢を叶えた2人が未来の話をしてて、描き下ろしでもラブラブなのが垣間見えて嬉しくなりました。
2人が出逢った日に寛二が見せたカードマジックで能勢が選んだカード、偶然引いたカードなのかそれとも選ばされたカードだったのか？後者だったらとてもいいなと作品を読み終わった今、改めて思うのです。
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