このレビューはネタバレを含みます▼
●作者さん買いです。相変わらず隅々まで美しい絵で、今までになくえっち多めで、眼福!ストーリーは作者さんが最初に書かれてるとおり「再読で味が変わる」ものです。大河の表情、セリフ、慧の名刺、シャンプーの香り、メッセージアプリのアイコン…などなど、あぁそういうことなんだ…と思えるコマやシーンが沢山ある。
●なのですが…もっともっと深読みしなきゃいけないような気がして、三度目も読んだのですがちょっと気疲れしてしまいました。どの作品を拝読しても綺麗に整ったストーリー展開をなさる作者さんなので、自分の読み方が全然足りてない気がしてしまって…(ただ読解力の問題かも…)
●恋愛に臆病になってる慧は、大河に対しても絆されてるようでいて、わりとドライです。“オトモダチ”の立場を崩そうとしない。それでも身体を重ねるにつれ大河の熱さに触れて揺らぐくせに、“俳優”である大河を信じられない。
●慧の笑顔と言葉で“俳優”の道を進んできた大河なのに、慧にそれを否定されて傷付いただろうなぁ…。「最後に」と生まれ育った島で本当の自分を見てもらおうとする大河は、あの頃の健気な大河のまま。そうしないと、臆病すぎる慧には伝わらなかった。
●大河についてはもっと深く読みたいんだけど難しい。“俳優”としての大河、大河にとっての慧の存在。「自分が傷付いて初めて人を傷付けてることに気付いた」はよくあるけど、「人を傷付けてることに気付いて初めて自分が傷付いてることを自覚した」とか、難しい!あのシーンでは何を言おうとしたの?このシーンではどんな顔をしていたの??
●そして『ホワイトライアー』というタイトル…真っ白な、嘘つき。さらっと読んでしまうともったいない気がするんだけど、さらっと読める気軽さもほしかった…という苦渋の★4です。