はじめてのひと
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はじめてのひと

谷川史子

与ちゃんの続きが気になって

ネタバレ
2023年12月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 現在ココハナで連載中の本作は、与ちゃんの話になっていて、途中から読んでストーリーの経緯が分からない私でしたが、彼女のことがとても気になりました。
そして1巻から一気読み。オムニバスのストーリーの中でも、やはり与ちゃんの話が一番好きです。
とてつもなく切ない。本当にワンコのように純粋で、諏訪内さんを愛してしまったことに葛藤する与ちゃんの苦しむ姿が辛かった。彼女の幸せを願わずにはいられません。諏訪内さんは終始ずるい男で、でも谷川先生の描き方が、憎みきれないキャラ設定にしているところがまた悔しい!(褒め言葉です)
諏訪内さんが一貫して、与ちゃんのことを「ワンコくん」と呼び続けたのも、諏訪内さんの中で一線引いていた現れなんでしょう。最後に、諏訪内さんが、ぽつりと与ちゃんの名前を呼んだコマが印象的でした。

作中のモノローグが小説のような書き方なのもあって、文学作品を読んだような読後感なのも作品の魅力かも。

しかし、久緒さんのあの予定の聞き方って本当に迷惑で、それを久緒さんみたいなキャラに言わせた谷川先生の絶妙さに震えがきました。
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