黄昏鳥居の恋みくじ
」のレビュー

黄昏鳥居の恋みくじ

三池ろむこ

黄昏の神社から始まる繋がる恋物語

ネタバレ
2023年12月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『黄昏神社の恋みくじ』神社の息子で権禰宜の呉葉が、毎日のように黄昏時にお参りに来る青年と言葉を交わすようになります。俗世から離れた生活をふと寂しく思う呉葉が、何事もストレートな海外育ちの樹里と恋に落ちます。『バイバイ、チャイルド』1話の冒頭で神様に願掛けしていた伏木渉と幼馴染の加古優希のお話。中学の時の優希の告白を受け止められなかった渉の願いを神様が聞き届けて下さいます。『丸窓のテラリウム』渉と優希がいつもその前を歩いていた丸窓のある変わった家に住む挿絵画家の長江悠里の元に、富田岳が配達に訪れます。室内で創作する悠里と元気な配達員の岳とが惹かれあってゆきます。悠里が挿絵を描くファンタジーが劇中劇として展開されるのが『丸窓とシーグラス』岳と悠里の恋と並行して、物語のアルタンとユラの恋が進行してゆきます。満月に照らされるシーグラスの浜辺か美しいです。『コーヒーブレイク•ラプソディ』悠里を担当する出版社の飯野と、悠里に憧れる新人画家の速星大弥がコーヒーを飲むひと時。大弥のバイト先には渉と優希も来ますが、同じように訪れるのが『はるのうららの』二人。隠キャの宮津崇が、モテる古沢慧に2年続いた同居の解消を言い出します。古沢の友人•清住が彼女にフラれて心機一転、ランニングを始める『なんか、』『そういうこと。』シューズのアドバイスをしてくれる野村さんと知り合います。『黄昏鳥居の恋みくじ•結』で樹里と呉葉のラブラブを満喫したら『それから、これから』で渉と優希、大弥のその後に触れ、最後にアルタンとユラのファンタジーで締め括られる250頁越えの力作です。さらりとしたエロがルチルらしいと思いました。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!