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榎田尤利/湖水きよ

テンポ良いケンカップルのバディもの

ネタバレ
2023年12月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 元法務省の鷹目兆は都内の高級ホテルにオフィスを構えるCASの採用面接を受けます。東大卒の華やかな経歴と優れた語学力、観察力、分析力を持つ鷹目は、神経質で協調性に欠けるために有名企業を転々としてきました。その鷹目が求職するCASは、企業から個人までの相性診断を手がける会社で、鷹目とバディとなる燕千里との初対面は鮮烈なものでした。ゲイで几帳面な鷹目と女好きでだらしない千里、真逆の二人がぶつかりながらコンビで仕事を始めます。冷静な観察と豊富な知識による分析、的確な判断を下す鷹目に対し、千里はなんと人並外れた嗅覚で鷹目以上の結果を叩き出します。そんな千里は鷹目の匂いだけはダメだと鷹目を寄せ付けないのでした。1巻はバディなる二人の出逢いとそれぞれの背景、ユニークな仕事を経ての初Hと1冊で完結しています。2巻〜4巻は3冊で一話になっていて、千里の複雑な身の上と過去、共にCASを営む大鳥兄妹、千里の家の1階のキャバレーの面々らが絡んでミステリと恋が進行してゆきます。サクサク進むラブコメですが、ミステリの部分もしっかり読ませ、ほろりとさせます。ツンデレ鷹目と野生児千里とケンカップルのテンポ良いやりとりは読んでいて楽しく、湖水きよ先生のイラストも良きでした。
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