このレビューはネタバレを含みます▼
私は沙野先生の書く甘えたでわがままな年下攻めがなんか好きなのだ。電子化されてないけどタンデムシリーズの周とか、他には共謀シリーズのキリトとか、そんでもって本作の攻めの津雲も平気で仕事のルール破って押しかけ女房(攻めだから女房ではないのか?)でなんかだめなやつなんだが可愛げがあるというか、なんでしょうこの魅力は。そんでもってこいつ割りとあっさり泣くんだけど、その泣き方も私は嫌ではなかったですよ、ありだと思いますよ。
主人公倉科は恋人を失った悲しみから立ち直れずに精神ぼろぼろ、それをなんとか支えようとする親友数視、結局のところいまいち掴みどころがなくてもったいない感じがしたラスボス柏林(かしわばやし、読みにくい名前だ!)、秘書の如月、他にもキャスト仲間のユキとかまどかとか、いろんな人物が出てきて、それぞれに何かしらの魅力を感じましたが、こった設定のわりにあまりストーリーが記憶に残らないというか、なんとなく中途半端感が否めなくて。うーん、なんでしょうか。といっても最後のほうで、柏林が如月に「おいで」と言ったあとの展開は非常に妄想を掻き立てられましたよ。ここで寸止めとか、沙野先生意地悪ですね。
とりあえず好きなタイプの攻めが、好きな感じで押しかけ女房してくれたので、よしとするか。