このレビューはネタバレを含みます▼
神戸を舞台にしたDK同士の初々しく眩しい日々。高校生になった藤沢蒼太は電車の中で痴漢されます。それを勘違いだと教えてくれたのは、1月遅れで藤沢と同じクラスに転入してきた一つ年上の綾瀬千洋でした。飄々と大人っぽい綾瀬と明るくて人の良い藤沢は早速一緒に体育祭の係をすることになり、お互いのことが気になり始めます。DKの一直線な青い想いは一瞬で溢れ出して恋となりますが、初めての恋に二人はそれぞれ戸惑い、怯え、おずおずと手を伸べます。『キスも知らないくせに』は出逢いの春からファーストキスの初夏までが描かれます。『好きだからキスしたの?』は夏休みに藤沢の親友•高橋類と綾瀬の従弟•有貴の4人でユ◯バに行きますが、有貴の悪意から気まずくなり、文化祭を迎えます。『キスよりやさしく』では2年になってクラスは別れたものの、高校生活のメインイベント修学旅行と初めてを迎えます。いずれも誰かを好きになって、学校や通学路などいつもの景色が全く違って見えるというDKならではの感性が瑞々しく伝わってきます。摂津本山から六甲道、六甲山牧場、須磨水族館、センター街や中華街など神戸の街の描写も存分に楽しめました。