このレビューはネタバレを含みます▼
この作品、絵が微妙で、伯爵家の人々によるヌリタスと母親へのいじめ場面が酷すぎて、最初は読むのがつらかった。けれどヌリタスと公爵のキャラが魅力的で、いつのまにか物語の世界に引き込まれました。
政略結婚、身代わり結婚であっても強く惹かれあうヌリタスと公爵。相手を想い頬を染め、でも初心な二人はそこから先になかなか進めない。可愛すぎる。
公爵に深く愛され自信を得たヌリタスは、蛹から蝶になったかのように、どんどん美しくなっていく。そして自分の幸せだけに安住せず、弱い人々に献身的に尽くす強さを身に着け、素敵な女性に成長していく。その姿がまぶしいです。また家族を失い心に大きな哀しみを抱えていた公爵が、ヌリタスの存在によって癒されていく展開は心打たれました。
ヌリタスの幸せとは逆に、身を持ち崩したライバルや、没落していく伯爵一族の描写がすごい。作者様容赦ないです。最後は、伯爵の干渉を振り切って最高のハッピーエンドで終わるはず。ベビーの顔も見られそう。ヌリタスと公爵、母親の喜びいっぱいの笑顔が楽しみです。