テオ-THEO-
」のレビュー

テオ-THEO-

あおのなち

半神の主人に仕えるテオに巡る四季

ネタバレ
2023年12月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 魃と呼ばれる陽を司る神様に仕える家に生まれたテオは、先代の魃が亡くなり、その息子に仕える為に魃の屋敷にやって来ます。人の半分も寿命の無い魃は高い体温にツノと隻眼を持つのですが、人間の母を持つテオの主•レイはとても人間に近いのでした。生まれる時に母親を亡くし、父親である魃からはまがいものと忌み嫌われてきたレイはずっと一人ぼっちだったこともあり気難しいのですが、生真面目なテオは一生懸命にお仕えします。屋敷にやって来た春から梅雨を経て寝苦しい夏の夜、テオは主に求められるままに抱かれます。秋が深まると共にレイは次第に弱り始め、眠っている時間が長くなってゆきます。そしてテオに出入りを禁じた屋敷の奥に閉じこもってしまうのでした。半分は人間であるとは言えレイの命はテオより短く、テオはその日が来ることを恐れます。やがて初めて出逢った5歳の春の花吹雪が、四季が巡った二人の上に再び降りかかります。番外編では、二人の初めてのお出かけ、発熱して寝込んだテオをレイが看病するお話、小冊子では二人の甘い一コマが描かれます。
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