noicomi龍神と許嫁の赤い花印
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noicomi龍神と許嫁の赤い花印

中野まや花/クレハ

原作者の別作「鬼の花嫁」二番煎じ…

ネタバレ
2023年12月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 原作者クレハ氏の別作品「鬼の花嫁」に比べると世界観が雑。
「鬼の花嫁」が売れて和風シンデレラ恋愛ストーリーが売れると似たような設定を雑に作って新作書いてコミカライズ化したという感じ。

龍神がそもそもどういう存在なのか、神なのはともかくわざわざ「龍」がつく神という設定なのに龍要素が皆無。
花印がどうして人間の体に浮かび上がるのか、龍神が(女性もいるそうなので)同じ龍神同士ではなくわざわざ人間の女性を伴侶に選ぶのか、「鬼の花嫁」では明確にメリット含めて語られる異類婚姻の理由も皆無。
「鬼の花嫁」の花嫁のようにあやかしの運命の相手で本能的に一生溺愛され、子供を作れない異種族の人間なのにあやかし同士よりも絶対に強いあやかしの子を産めるというメリットも無く、花印が手の甲に浮かんだら結婚相手に「なれる」だけ。
原作小説は「鬼の花嫁」と違い、花印が浮かんだ人間の女性を龍神が生涯ただ一人の伴侶として溺愛してくれることもなく、偉くてありがたい龍神さまが一方的に人間の女性を捨てたり婚約破棄してもOK。
ミトのように花印を持つ子が生まれる可能性は日本全国どこでもあるのに、星名一族を追放して監視もせず、無戸籍児童で学校教育すらまともに受けられないミトのような悲劇が起きても発覚が遅れ、神であるはずの波琉も夢に出るだけで救助に来るのが恐ろしく遅い。神なのにできることしょぼすぎないか?
しかも星名一族では花印持ちの子は産まれたらすぐSATSUGAIされていたことが原作小説で明かされているので、なんというかミトが無事高校生まであの集落で育てて本当によかったねとしか。
ミトの両親が「傷モノの花嫁」のヒロイン両親みたいに「お前のせいで家族まで差別される!」と見放すようなクズ親だったらミトは生きられなかっただろうし、忌み子のミトのとばっちりを受けないようミトの弟や妹を作れなかったりと両親も被害者だと思う。

「鬼の花嫁」のヒロインの境遇が可哀想というにはややぬるかったからイジメ要素入れました感が強いが、あやかしのような濃密な設定を期待するとこの先展開がどんどんアレなのでオススメはしないです。
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