このレビューはネタバレを含みます▼
どちらかと言うと恋愛ものですが権謀術数めぐる世界観で、キャッキャウフフな惚れた腫れたな恋愛ものを期待している方には向きません、ご注意を。奸計や王侯貴族の口撃の応酬は読む人にとっては楽しいかもしれません。
ヒロインが抱える容姿のコンプレックスに周りの揶揄があまりに繰り返し辛辣で、途中食傷気味になります。
フェルドリックのやり取りもどこか子供っぽく、いつまでも素直にならずにいつ進歩があるのかとこちらも途中食傷気味に。
あとフェルドリックが隙間なく嫌な奴で助走つけて殴りたい気持ちに何度かなりました。ごめん。ヒロインに優しいはずなんですがヒーローとして好感を抱ききれないというか…。
終盤にかけて明かされるフェルドリックなりの愛情表現が誤解される最悪の言葉の選択やタイミングによって昇華され、実を結ぶことなく地に落ちる様は思わず「不器用かよ!」と言わずにはいられませんでした笑。残念な事に、個人的に他の男性キャラ(ほとんど既婚者、一部女性)が魅力的過ぎて最後まで素直になりきれないヒーローのキャラが少し霞んでしまった感が否めません。あのヒーローなだけに脇役への好感度が高くなり過ぎた傾向にあるように思えました。
最後はまるくおさまりますが、個人的にヒーローへの好感度の低さから3巻もかかるのは引き延ばしすぎでややうんざりしました。