このレビューはネタバレを含みます▼
人懐こい吉見のクラスにやってきた、季節外れの転校生・伊織。どこか陰があって大人びている伊織を最初は警戒していたけど次第に仲良くなり、しかし伊織は吉見には知られたくない闇を抱えている。読み始めたら止まらなかった。すでにギリギリだった伊織の心に入り込んできた吉見の笑顔が、なにげない言葉のひとつひとつが、伊織にとってどれほどかけがえのないものだったか…。吉見といる時だけは年相応に笑う伊織の「普通」があまりにも痛々しく、読んでるこちらも苦しかった。BL的な展開や触れ合いは本当にわずかだけど、それ以上の読み応えでした。ラストで泣けてしまった。この先二人がどうなるかは分からないけど、どうなっても幸せでいて欲しいと心から思います。読めてよかった。