ぼくは麻理のなか
」のレビュー

ぼくは麻理のなか

押見修造

さまようアイデンティティの物語

ネタバレ
2023年12月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 以前無料分を読んで引き込まれたものの、それきり中断。入れ替わりモノだと思ってたし先の想像があまりつかないので気になってはいた。この度やっとラストまで読んだ。入れ替わりモノでもラブコメでもなかった。思ってたジャンルと違い重たくて繊細で複雑なテーマだった。心の深層を支配する、自分が誰だかわからない、拠り所がない、帰るところもないが逃げる場所もない、追い詰められ壊れていく子供。麻理と似て美しいはずの母親の醜く歪んだ表情が恐ろしくて、うわべだけかわいくてオシャレな友人たちの残酷さとか、麻理を追い詰め小森の中に追い込んだ過程の描き方がすごかった。
読後に不快感もないし、読み応えあった。
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