このレビューはネタバレを含みます▼
名作にして、冥作過ぎて、迷作だが、命作であった。とても面白かったのですが、とにかく死が身近過ぎる世界線で死と隣り合わせのドキドキをずっと読み続けるストレスが凄い。自分の感情の起伏に振り回されて疲れてしまうレベルです。ただ、それくらい引き込まれるストーリーです。
不老不死になると言われる仙薬を持ち帰れば、無罪放免となる。
その言葉に賭けた死罪人とそれを見張る処刑人数組が、仙薬があるとされる島を訪れる。
一度島に足を踏み入れたら、生きて帰ることは出来ない島。主人公・我眉丸は生きて妻の元へ帰れるのか…
典座を巡るストーリーと弔兵衛を巡るストーリーが特に好きで、目が腫れるくらい大号泣しました。設定としては、少し大人向けですかね。五行の考え方や宗教感など説明もあるのでしっかり読めば理解できますが、やや難しく感じるかも知れません。ただ、相生・相克の関係などがより物語を深くできているかなと思いました。
もう、感情がジェットコースターに乗っていたので読了後の疲労感と素晴らしいラストでした。ありがとうございます。