引きこもり箱入令嬢の結婚
」のレビュー

引きこもり箱入令嬢の結婚

原口真成/北乃ゆうひ/間明田

主人公が好きになれない

ネタバレ
2024年1月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 設定は面白いですが、フィクションとはいえ登場人物たちの倫理観や常識に違和感がすごいです。他の低評価の方も書かれていますが、主人公が色々と問題ありだと思います。幼少期のトラウマがきっかけとはいえ、両親にも顔を見せず実の両親に泣きつかれても渋々週1出てくるだけなのがまず衝撃でした。両親の愛情に気づいていながら家では箱から出ようってならないところでただの我儘娘ではと思いました。次に箱が飛ばせて見聞きできるという能力は、便利だし政治や戦争では有用だと思います。ただこの能力を王子には自分との親交を深めるために利用し政治利用はしないでほしいと純粋そうなことを言いながら、自分は欲望のために能力を使って盗聴盗撮を平然と行っているのが信じられないし、気持ち悪いです。盗聴盗撮を行っていること自体が1番いけないことなのに、王子の裸うんぬんで見てはいけない〜と興奮しているのもドン引きです。また、自分が望んで勝手に見聞きした内容にショックを受けて落ち込んだり、王子の婚約者にはなりたいけど、自分が箱から出られるように努力するのではなく、公務も箱のままでもいいよと言ってもらえるようにしようとするなど、メンヘラ・姑息な感じが応援できません。幼少期のいじめはともかく、婚約者に内定してからのいじめに関しては、令嬢たちの言い分や感覚のほうがまともだなと感じました。周りは出れた方がいいけどまあ能力高ければ箱のままでもいいと納得しているのも違和感があり、なんだかモヤモヤするお話でした。そういう主人公でも違和感を感じない方には面白いかもしれません。
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