お願い、そんなに噛まないで 【コミックス版】【シーモア限定特典付き】
参号ミツル
このレビューはネタバレを含みます▼
女性にモテるイケメンのノンケ攻と陰キャ寄りの童貞ノンケ受が、事故のようなある出来事をきっかけに秘密を共有しあうようになる。攻はあくまで興味本位で主導権を握り優位な立場で受に接するも、曖昧な関係に耐えられなくなった受が距離を置き始めた途端に攻の独占欲が爆発──という親の顔よりも見た、今回はお互いの性癖が絡むという要素があれど王道のストーリーです。たくさんの人に支持されている展開であるからこそ王道たる所以で実家のような安心感で読めるのが良いところ。展開上どうしても受が不憫になってしまうのですがそれもまあ王道なのでしばしの我慢です。徐々に受への執着を見せていた攻が、それまでの受との位置関係が崩れてしまった事を悟った瞬間、見てるこちらは「こういうのもっとちょうだい！」となるのです。今作の攻もとても良い感じに壊れてくれます。今までの高揚感や余裕は全て吹っ飛んで夜も眠れず、自分以外の人々とはこれまで通り接している受の姿を見せられ、嫉妬心と独占欲を募らせ堪らず受に追い縋ります。なんて素敵なんでしょう。情けない姿であるほど強いカタルシスがもたらされるのです。苦悩する攻の姿が見たいがために読んでるのかもしれません。許されたはずの攻に今度は「受のことが好きすぎてどうしよう」という新たな試練がもたらされ溺愛という属性が付与されます。執着嫉妬独占溺愛という全部盛りの攻の完成です。ざまあみろ、そしてお幸せに。
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