このレビューはネタバレを含みます▼
朱雀青龍編を読了済みなので、玄武開伝では誰が死ぬのか、巫女はどうなるのか、という物語のラストは何となく知っていました。それでも、本当に胸を打たれるラストだったと思います。
小中学生の頃に前作の朱雀青龍編にハマったのですが、大人になった今読み返してみると美朱や唯に共感できない部分が多々出てきてしまい、よりシビアな作品と言われていたこちらを買って読んだところ、自分の体のことや恋愛のことを差し置いてとにかく他者のために行動する多喜子に深い愛と勇気を貰えました。そうそう!自分の求めていた主人公はこれだ!!と笑
大正時代でいう17歳なので、前作主人公たちよりも精神的にはよっぽど大人だったと思います。だからこそ、自分が大人になった今、多喜子への感情移入がすごかったのだろうと。また、このような主人公だったからこそ、仲間たちからの信頼が厚かったのも納得がいきます。そら、多喜子のためだったら死後200年先も尽くすわ…と
ラストも、良い終わり方だったなーーーとつくづく思います。死後の世界では幸せ、みたいな展開は本来自分は都合が良すぎてあまり好きではないのですが、国中の人たちが2人の幸せを祈る、そしてその理由もちゃんと伏線として張られているのもさすがでした。
朱雀青龍編を知らない人も、知っている人(特にリアルタイムで追っかけていて今は大人という人)はより一層楽しめる作品です。巻数も長くないので、ぜひお手に取ってみてください。きっと七星士同様、あなたも多喜子を好きになります。