仏恥義理ステッチ
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仏恥義理ステッチ

あおいましろう

手芸×スケバンが斬新。可愛いし面白い。

2024年1月8日
手芸が好きなので購入。絵も話もとても綺麗でかわいいです。手芸と昭和ヤンキーという一風変わった組み合わせですが3巻という短さでキャラも起承転結もテーマも丁寧にしっかり描き切ってます。いわゆる打ち切りエンド、投げっぱなしエンドではありません。

作中に出てくる手芸作品はどれも可愛く綺麗で実物があったら是非、見てみたいし買いたい、作りたい!と思うものばかりでした。残念なのは3巻で終わってしまったところです。
テンポはとても良いのですが、手芸の掘り下げ、熱い甲子園、昭和ヤンキーあるある、個性的なキャラとの出会い、不良同士の喧嘩バトル、ラブコメ…と盛りだくさんなせいか、やや駆け足気味というか詰め込み感があります。是非もっと長くじっくり読みたかったです。
とても面白いし興味を惹くので長期連載や続刊で続けられたはず、メディア化や今年の話題の顔漫画になっても良いレベルの良作だったのでは?と思いました。
できれば3巻でまとめず10巻くらい伸ばしてそれぞれのエピソードや掘り下げを十分に描写して欲しかったと悔やまれる魅力がありました。最初から短期間連載の企画だったのかな。
出版、編集や漫画家さんとの事情は読み手には計れませんが、彼らの活躍をもっと見たかった自分としては少し寂しいし、とても勿体無く感じます。

読後感はとても爽やかですし、手芸への造詣、ハラハラ展開、クスリと笑える描写もたくさんあり手芸が好きな人なら楽しめると思います。ただ作風的に時代錯誤感のあるヤンキー、ギャグっぽくカミソリで脅す、学生モブがタバコを吸うなどのネタが微妙に入るのでそういうのが苦手な人は注意かもしれません。
(一般的な不良漫画に比べたら超ソフトだし、危険な薬や飲酒、ガチの反社行為、R18なセクハラや不純交友、エロ場面は一切ないので安心して読めます。)
80年代?が時代設定なのかネットやスマホやSNSなども出てこない学生ものなのでそれらに慣れてる現代の感覚だと不思議に感じるかもしれません。

作者の方が手芸スケバンを思いつきの勢いだけウケ狙いで描いたのではなく、きちんと情熱と目標をもって丁寧に執筆されたのが伝わる漫画でした。特に手芸や創作に対するキャラ達の強いこだわりや熱い心情に作者の熱意をそのまま感じます!
初見作品でしたが、実力の高い作家さんだと思うので次回作も楽しみにしてますし、こちらの続編があれば是非読みたいです。
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