治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~
九我山レキ/くろかた/KeG
このレビューはネタバレを含みます▼
画力は高く、絵柄も綺麗で、背景にも手抜きはありません。
治癒魔術師は戦えない為、真っ先に狙われる軽蔑の対象という不条理も、主人公を持ち上げるには、仕方のない設定かも知れません。
理解不能なのは、家族や友人、人生その物を奪われかねない主人公達が、全員、ノリが軽い事です。
ヒロインは、最初から「異世界♥魔法〜♥」ですし、勇者はキレて見せますが、王様の土下座一発で、最前線での殺し合いに赴きます。
主人公に至っては、イカれた女に暴力で拐われ、訳の分からない組織で死ぬかも知れない訓練を強制されているのに、負けず嫌いという理由で、命令に従います(苦笑)
自分の意思で入ったのならまだしも、暴力で目的を強制してくる人間を、蔑みこそすれ、勝ちたいとは思いません。
間違いで拉致(召喚)して、世話をするどころか「イカれた女はこの国で最強だから、ツイてなかったね」という連中を、何故、救おうとなるのか(笑)
拉致されて、「前線で死なない様に鍛え上げる。お前は情けない男なのか?」と言われ、「負けてたまるか、一人前の兵士になってやる!」と、いう思考にはなりませんでした。
勇者召喚(国王)→巻き添え(主人公)→救命団拉致(イカれ女)→ツイてなかったね(国王)→拷問訓練(イカれ女)→負けず嫌い(主人公)→認める(救命団)→戦わないで全て救う(主人公)の流れに、個人的には共感出来ませんでした。
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