このレビューはネタバレを含みます▼
奏にとっては退屈しのぎと好奇心から、一方、氷山は若さと容姿に恵まれ成績優秀、親の財力もあり全てのステータスを持つ奏に苛立ちと卑屈な感情から。
肌を重ねるほど(期せずして初めての男となったのも大きかったのかな)自分でも気付かぬうちに真心を捧げてしまっていた氷山の、ポケットの中でキーホルダーを握る手がいじらしく切ない。淡い期待を抱いていたからこそ、臆病で傷つきやすい正直な気持ちは砕けた。
身勝手わがままに踏み荒らし、居なくなって初めて知る自分の気持ち。
ストーリーは王道、シンプルに描かれていたので素直に心に響いた。確かに132pとボリュームは少ないですが、読後の満足度が高かったので気になりません。繰り返し読むであろう、大好きな一冊になりました。(作品紹介にある「ラブゲーム」そそられないわー)