「羊の皮を着たケモノ」番外編集【電子限定版】
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「羊の皮を着たケモノ」番外編集【電子限定版】

九號

穏やかな日常はなんぼあってもいいのです

ネタバレ
2024年1月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昨年末の2巻発売時にこの作品を知り、とんでもない神作と巡り会えた事に感謝し見事に虜となって毎日読み返している中での番外編!本編がヒリつく展開真っ最中だからこそこの日常編が五臓六腑に沁み渡るのなんの。まとめて読めるのがとてもありがたいです。そして辰巳の独占欲がたくさん見られて嬉しい…特に2話目、ポーカーフェイスが上手な辰巳の貴重な表情が拝めます。大地が絡むと辰巳はいろいろな表情しますよね。辰巳と大地の関係はあまりにも特殊で特別で、二人とも決して自分から離れる事はないししたくないのに、もしも相手から離れる事があったらそれは受け入れてしまうのでしょう。それだけお互い相手を大事に想っているのですが、だからこそ事情を知らない滝の全く悪意のない世間一般的な幸せの形を願う言葉が刺さるのでしょうね…なんて杞憂も最後の辰巳を見れば吹き飛ぶんですけど。辰巳にはいつもこんな自信満々な感じでいて欲しいものです。辰巳の本心を汲み取った時の大地のとても嬉しそうな顔も良かった…ところで辰巳は永井さんには嫉妬したりしないんですかね?それか「見立て」でその対象でないと判断してるのかそれとも大地から話を聞いているのか。二人の関係の始まりからずっと見守っていて相談もできる永井さんは貴重な存在です。そんな永井さんが大地を煽る2話の続編にあたる描き下ろし、【非実在】という注釈がついてますがそれ実在してるんだよな〜ほぼそのままなんだよな〜とニヤついちゃいます。理解していない大地が可愛いです。他のお話も全部良かったしもっと見たいです。本編でとても丁寧に辰巳と大地の関係が描かれているので、こういった日常編になると更に解像度が増して満足度が半端ないです。どうか本編の二人にも早く安息の時間が訪れますように。その時まで番外編を思う存分堪能させていただきます。
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