嘘とキスと純情
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嘘とキスと純情

木下けい子

不思議で楽しい空気感が切なさを薄めてる

2024年1月13日
先生の作品は作家さん買いする勢いで読んでいて、必ず満足できる自信はありましたけど、思っていた以上に良かったです。特に馬場のキャラが好みで、犬みたいに従順で飼い主大好き…色々やらかして困らせるけど駄犬ではない。猪突猛進で爆走・暴走して見事に壁にぶち当たるも、決してめげない精神力。アプローチして断られても聞かないフリして無かった事にするとか、とことん自分に都合よく捉える良い意味の厚かましさとか、最高でした。そんな馬場に感化されたかのように、クールな羽鳥が漫才コンビのように息ぴったりのやり取りを見せるシーンも面白おかしくて笑ってしまいました。
何も知らないとはいえ、真下の無邪気さは無慈悲だなと思ったり、でも新しい関係を築きたい馬場からしたらチャンスと言えなくもない…様々なやり取りが上手いこと絡み合って、何とも言えない空気感があったと思います。切ないはずの恋が意外にも楽しく読めました。
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