腹腹先生
」のレビュー

腹腹先生

高口楊

腹腹時計という教程本からの腹腹先生の模様

ネタバレ
2024年1月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何故「腹腹先生」なのか、読んでいる途中でずっと気になっていました。ハラハラドキドキの表現かな・・・ぐらいに思っていたのですが、3巻真ん中過ぎ「腹腹時計」なるワードがあり、送り仮名に時限爆弾の文字が。
日本で実際に事件を起こした極左グループが、爆弾の製造法やゲリラ戦法などを記した教程本で地下出版されたものが「腹腹時計」との事。
なるほど!それに掛けてあったのですね。
物語は、唯一の肉親である謎の失踪をした妹の消息を尋ねて、高校の化学の教師である姉が、その卓越した知識で未知の世界に挑んでいくお話で、夢に挫折した主人公と、ドロップアウトした人生だけど、強かに野望を抱いた下部組織のヤクザがバディを組み、隠された真実を追うという内容。
二人の信頼が生まれるまでの姉の恐怖を思うと、耐えられない程の恐ろしさがありましたが、確かに、漫画で描かれる恋愛もののヤクザさんは甘いばかりですが、コチラの方が現実に近いのではないかなぁと思いながら読み進めていました。
物語の締めは、何と無く納得いかないところもありましたが(罪の重さの加減など)、4巻で綺麗にまとめ上げられた面白いお話でした。
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