ハレとモノノケ
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ハレとモノノケ

独特な世界観が魅力

ネタバレ
2024年1月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ やっぱり灼先生の作品は頭ひとつ抜けてるというか、引き込まれるお話を描いてくださるなと改めて実感しました。一筋縄では行かない恋は沢山ありますが、食べ物や季節、植物などを使いながら2人のストーリーに希望や陰りをみせてくれる構成、展開に一喜一憂しました。共に老いていくや共になん百年も生きていくとまでははっきり描かれていませんが、これからの2人に希望を持てるような終わりに感動しました。
「刻む時はお前らと一緒だよ」こんな風に八潮の寂しさを埋めてくれる言葉をたくさんトキは言ってくれます。そんなトキと過ごす中で八潮の表情が豊かになったり我儘を言ったりと子供らしい部分も見えてくるようになり、甘えられる相手ができたんだなあと安心しました。それにこの言葉は不老不死の自分もみんなと同じように時間が流れて同じように生きているんだという自分自身への言葉だったのかなと。何回も読むうちにいろいろな思いを想像したり感じたりすることができる作品です。心が洗われます。
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