ラスボス予定の聖騎士に求婚されています
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ラスボス予定の聖騎士に求婚されています

村崎 樹/サマミヤアカザ

素敵なところもあるが合わなかった

ネタバレ
2024年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 著者の『人生七周目〜』が好きなので拝読しました。
本作の世界観は大好きです。でもごめんなさい、結論主人公の織人が合いませんでした。
自称コミュ障、人見知りという織人の言動、認識がとにかく幼稚に感じてしまいました。設定が10代ならまだ社会に出ていなくて経験や考えが未熟故、と理解できるのですが「小さい子扱いするな」と言うのに24歳の社会人がするには子供っぽい言動が多いと思いました。
卑下しがちな言動も現実世界での成功体験のなさからかと思えば、この世界で成功体験を経ても変わらず。そう簡単に性格は変わるものでは無いとはわかりつつも具体的にこういう経験により傷ついた、や、家庭環境に何かあれば理由付けとして納得もできたのですがそうでもないので、モヤモヤしました。
なによりもひっかかるのが織人がずるいこと、でした。相手の好意に胡座をかいて自分の好意は明確な言葉にせずとも伝わっているだろうと思い込むこと。この世界の過程、結末などを知っているのにそれを生かすことが出来ず相手を傷つけること。反省はあるけど自分はそのアドバンテージがあるから無意識の安定がある、そのずるさを自覚していないところ。それらをずっと無自覚でやっているのが苦手でした。
お相手のシルヴィスについては二面性とされていましたが、それはちょっと大袈裟で、見た目とのギャップくらいの印象でした。
今回たまたま自分に合わなかっただけで、好みの問題です。主人公の織人のもだもだが焦れったくて可愛い!と思えるかで評価が変わるかもしれません。コミュ障からの成長と、成長しても変わらないところのリアリティや親近感を覚える人、溺愛攻めが好きな人なら合うかもしれません。辛口になって申し訳ないですが、一個人としての感想です。悪しからずご了承ください。
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