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山岸凉子

恐怖の山岸トップ3のひとつ

ネタバレ
2024年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ ↑自分にとってはです。懐かしいので購入。
収録三作品のうち表題作「鬼」は、幼少期の記憶に強烈に焼き付いたのかほぼ覚えてました。
飢饉による口減しの末のアントロポファジー。そんな激重いテーマを…キャピキャピした大学のサークル生達が霊的に体感し昇華するお話です。一応のハッピーエンドだが辛い。でもちゅき。
他「ある夜に」は10P程度、ある夜ある道行きのお察しストーリー。短いけれど先生の死生観出てる気がして面白いです。
「時じくの香の木の実」は一族を栄えさせる力を持った巫女のお話。権力に取り憑かれた大人の理不尽。昔々の水害に人柱とかそういうの、生け贄的なやつです。
山岸先生のホラーはスピリチュアルな類いも怖いんですけど、土着の信仰だったり昔の風俗因習だったり…人の醜悪さが滲んだリアルなネタがいっそう怖い。
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