転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました
」のレビュー

転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました

らる鳥/しあびす

清潔で静謐な

ネタバレ
2024年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 長命な種族である自分に与えられた長い長い時間を、置いて行かれる事を理解した上でそれでも他者と関わりながら静かに生きて行くハイエルフのお話です。
主人公の出発点は違いますが、テーマとしては同じエルフものの『葬送のフリーレン』と共通点があるかも知れません。
大きな盛り上がりや大事件はない(あってもサラッと流してある)のですが、それがこのエイサーくんの俯瞰した視点と上手く噛み合っています。
彼自身が流れの中に身を投じても結局は外から見ているような決して触れられないような物哀しさが漂っていて、読んでいる間こちらは終始切ない気持ちでした。
それと、どことは言いませんが、登場人物[たち]の気持ちがどうしてもどう考えてもどうやっても理解出来ない部分があったのですが、これはまあ個人の考え方の違いなのだろう…と思います(笑。
ライトノベルの作家さんの文章等の酷さに呆れる事が多い昨今、こちらの作品は文章も構成もとてもしっかりしていて、ライトノベルではなくきちんとしたファンタジー小説として認識されるべきだと思いました。
徹頭徹尾、清潔で静謐な文章を貫かれた作者さんはとても素晴らしい物書きさんです。
滅多に出会えない良い作品をありがとうございます。
私的には星10個です。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!