フェイク・ファミリー
」のレビュー

フェイク・ファミリー

ひつじま羊

家族について考えさせられる作品でした

ネタバレ
2024年1月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初作家さんでしたが、社会問題に関係する重さと子供・家族が持つ明るいイメージとのバランスが良く、どちらも中途半端さがなくて感情に訴えてくるものがありました。でも、だからこそ、地雷まで行かなくても苦手な人はいるかもしれないと思います。以降ネタバレです→
ネグレクト・DVに関しては、ニュースなどにも取り上げられていますし、身近ではなくても子を持つ親からすると悲しい内容に胸が痛みました。
それから春陽の姉に関して…BLなので、そもそも女の子が出てくる(バイも含めた)作品が苦手な人は厳しいかなと思います。この姉というのが、負の連鎖に組み込まれたかのように母親そっくりで、親としても女としても許せないタイプのキャラでした。
でも、あきらは可愛いくて良い子だし、春陽も玲も育った家庭環境に難ありながらも自分と向き合って乗り越えたり、過去を含めてお互いを認め合えたり、魅力的に描かれているので心が温かくなりました。
『フェイク・ファミリー』と言っているけど、世の中、血が繋がっていたって他人よりも冷え切った関係の家族なんて、割とよくある話だと思うんです。逆に、血が繋がってなかろうが(何らかの事情で)正式な結婚はできなかろうが、そこに愛があって共に暮らしているなら、それはもう「家族」だと思うんです。新たな家族の形と言うより、三人の関係が本当の家族の形なんじゃないかなと考えさせられる作品でした。
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