イノセント ベル【コミックス版】
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イノセント ベル【コミックス版】

トトキの幸せよ、永遠にっっっ‼︎

ネタバレ
2024年1月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごいっっ、凄すぎる…前々作『シークレットノート』→前作『ハイドランジアケージ』からの三作目。巻が進むごとに登場するΩの不遇さが増すのですが(最後はハピエンですが)、今作は全ての伏線回収、そしてなにより今作のΩトトキの悲しい過去よ…トトキの『こんな生き方したかったわけじゃないっ』という叫び。号泣ですよ。

確かに前作でトトキは妊娠・出産経験有りと描かれていましたが、それが今作の重要なファクターだったとは…。
最後までトトキは過去の出来事は思い出しませんが、それは、トトキが救われるための唯一の方法だったんでしょうね…。実際に朝陽と離れる=死を覚悟していた訳ですから。朝陽と2人で手を取り合って過去を乗り越えて、生きていこうとは思えないほどトトキの悲しみ、傷は深い。

でもこの悲しみって、Ωが軽んじられてる世界観だからこそ。ウェイトレスもそうだし、トトキの父もずっと部屋に〜って描写から、Ωであるっていうだけで1人の人間として尊重される生き方はしてないよね。トトキの父αも金持ちのくせにトトキ達の家はボロアパートだったし。

朝陽は、なんの罪もない奥様を裏切ってしまったことへの罰は十分に受けたかと思いますので(雨情にも指摘されてましたが、朝陽が覚悟決めきれないから拗れた部分も大きい)、この2人は心穏やかな日々を送ってほしいと切に願います。

雨情とよひらもしっかりと描かれていて、雨情のよひらへの愛情が溢れている姿は、今作の重い雰囲気のなかでの清涼剤です。よひらの出生の秘密について続刊があると嬉しいです〜。

トトキは辛い目にたくさんあった分、心穏やかに幸せに過ごさせてください、お願いしますっ作者様っっ!!
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