好きが言えないふたりのエチュード【電子書籍特装版】
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好きが言えないふたりのエチュード【電子書籍特装版】

kanco

なんだか中途半端

ネタバレ
2024年1月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「恋人ごっこ」から始まった二人が本当に恋人になるまでのお話。恋愛未経験で演劇のことになると周りが見えなくなる受け、かなり自分の都合で攻めを振り回すし攻めの大切な告白を2度も途中で止めるので攻めがかわいそうになっちゃったな……攻めは攻めでネガティブでやりたいことを主張しない性格のため、かなり進展の遅い二人にじれじれしました。二人が仲を深める話に話数を費やしている割にはお互い見せ場不足だし、かといって心理描写が丁寧なわけでもない(見せ場がないのでまあ描写する心理がない)。更に実際の演劇場面があまりにも少ないので、攻めの成長が分かりづらい。演劇を話に絡めるならもっと大ゴマ使って魅せていった方が読者は引き込まれるのではないかなぁ、と思いました。最終話も描き下ろしも特装版マンガも全て半端な締め方に感じ、かなり不完全燃焼。特に特装版マンガは、初期設定やラフ入れるくらいなら二人の初えっちをもっと長くきちんと描いた方が良かったと思う。
あと個人的に攻めが“ゲイだと認めたくなくて女性と付き合ってきた”のは良いんですけど、好きではない人ともセッ…してきたっぽいことが、このお話で見てきた攻めの姿とあんまり繋がらなくてうーんだったな〜。やることはやってんだ……とか女でもたつのか?とか色々思ってしまい……(初期設定ではバイっぽかったけど、本編中の回想は女性しか出てきてないので)
折角受けが攻めのかつての恋人達にヤキモチを妬いて(ヤキモチ妬けるくらいになっててえらい!)「攻めが誰とも経験したことのない“初めて”が欲しい」と言ってるのに返事が「好きな人とセッ…するのは初めて」なのもなぁ……これ攻めが遊び人設定ならきゅんポイントかもなのですがそうではない(少なくとも読者から見ると)ので違和感がすごくて、良いこと言ったっぽく描写されてるのがまた……涙 でもここで男の人とは初めてです、がこずほぐすのも慣れてるっぽかったから男とも経験あるのかも。女とは清い交際だけで経験は男とだけとかかな〜分からん。判断材料が少なくてモヤモヤしちゃう。なんかほんと最後までこの性格で経験豊富な攻めが繋がらなくてつらかった。もっと攻めに関する描写があったらなぁ。
あと行為は挿入したところで即切りなので期待し過ぎに注意です。絵は好きなのですがエピソード、情報の出し方などが総じて描写が中途半端だったかなぁ。修正は白抜き。
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