このレビューはネタバレを含みます▼
主人公の葉、これでもかというくらい不憫な状況で、生きていくことを諦めようとして最後の晩餐に訪れるあたりは涙です。そこからレストランのオーナーシェフの瑠可や周りに助けられ、人の優しさに包まれて幸せになっていくのですが、育ちがあまりにも壮絶に悲惨なので、どうしても愛が直球にならない。嫌われないよう心を砕くあたりが読んでて心が痛い。健気受け軽く飛び越して卑屈な感じでもあるのですが、そこが嫌な感じにならない絶妙なところが流石月村先生だなぁと。
そしてそんな葉を時には紳士にたまには箍をはずして愛する瑠可がたまらなくイイ!紳士なあまりのすれ違いもちょっとしたスパイスで。いつまでも幸せに暮らしました、の御伽噺が似合う心温まる作品でした。