きみが誰でも愛してる
」のレビュー

きみが誰でも愛してる

萩原ケイク

誰かに幸せにしてもらおうでは掴めない幸せ

ネタバレ
2024年1月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『それでも愛を誓いますか?』『木更津くんの××が見たい』の作家さま。
いつもヒリヒリした展開で、続きが気になってしょうがない作品を描かれる印象です。
先の2作品はシーモアでの配信が遅くて待ち遠しかったのですが、本作はコミックの発売日と配信日は同じようです。

主人公「ユキ」は大学を卒業して正社員で働いていたものの、人間関係で退職してから派遣での仕事に従事していた。母は亡くなり、大病を患いながらも娘の花嫁姿を楽しみにしている父に仕送りをしながら、マッチングアプリで知り合ったハイスペな婚約者を唯一の拠りどころに、現状に押しつぶされそうになりながらもやっと生きているような女性。
作家さまの描かれる女性像は、本当に逼迫した背景があり、救われる術(すべ)が無く胸が痛くなります。
作家さまも「あとがき」で、〝未体験の非日常を描く事に不安〟と言われていますが、私たちが生きる現在で、身近には遭遇することの無い犯罪は、何かのタイミングが狂うだけで出会ってしまうほど、背中合わせに存在するのかもしれません。
ただ道を歩いていただけで、見知らぬ人に車に引きづり込まれ、クレカの番号を吐かせられ、お金を取られた挙句命まで・・・という痛ましい事件も実際にあったからです。
本作はまだまだ1巻。
主人公が「何者でもない私がハイスペックな人に見そめられて結婚」を夢見たから・・・と、現状に立ち向かう決心をした矢先・・・!
あー、やっぱり先が気になって苦しくなります。
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