このレビューはネタバレを含みます▼
◆枯れた花に恋の水◆
ヤクザのような強面がコンプレックスで、その外見と似合わない仕事もコンプレックスな曹介さんは、八田に猛アタックされる日々に辟易しています。つれない態度にも関わらず、一向にめげない八田は臆することなく愛の言葉を注ぎます。
段々と絆される曹介さん・笑。
とある男性客との場面で、途中から曹介さんの顔が映らなくなります。けれどその表情は想像出来てしまい、切なくなりました。
男性は軽い気持ちで発したのだろうけれど、その言葉は塞がりかけた傷を抉るようなものでした。
『曹介さんは、曹介さんを傷つける人達の言葉ばっか信じるから。そのくせ俺が言うみたいな言葉をいつも欲しがるんですよね』
客にズタボロにされた後、八田の言葉です。 トラウマは簡単には消えないけど、薄くはしていけるんだなと思った台詞でした。
私的には曹介さんがシャツを着たのに萌えました。ハイネックからの首元開放に色気を感じます・笑。
◆狼に魔法を◆
――男から好かれる事が、当たり前に用意されてる女がずるい――
冒頭の主人公の独白です。
こちらは男子高校生のお話ですが、すごく切なかったです。
イケメンだけどホモな永瀬君と、普通で流されやすい井上君。
ホモだと告げ引かれると思っていたが、逆に意識されるようになり、秘密の関係になります。
キスはするけど、直接的な接触はしない。手が届く可能性が出てきたことにより、欲も出てきてしまいます。
結果的に拒絶され、傷を残すことになります。
◆狼は魔法を◆
大学生になった永瀬君の話です。
割り切った関係では満たされず、運命の出会いを求めていますが上手くいきません。
大学の先輩である樋口さんと知り合い、ゲイだとバレても顔色一つ変わらず。分かりにくいけれど、裏表のない性格の樋口さんの傍が心地よくなり、友達としての距離を縮めていきます。
いつものように家に行った時に告白しますが、初めて見る表情に動揺し逃げてしまいます。その後、樋口さんを避け続けますが捕まり、勢い余ってキスされます。しかも周囲に人がいるのに・笑。
ひと悶着の後、付き合うことになりますが、最後の樋口さんの空気の読めない発言には笑いました。
二作品ともベットシーンはあまりないですが、きちんとした心理描写おかけで満足出来ました。
長文、乱文失礼しました。