泥沼
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泥沼

ともち

作者買いです

ネタバレ
2024年2月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「泥沼」というタイトル通りの愛憎劇が繰り広げられていましたが、ともち先生の作品で泥沼にならない話ってあったっけ?
「ビコーズ・アイラブユー」こちらは社会人の三角関係のお話。主人公の充は、ラブラブの恋人(光一)に「最近引っ越したんだ~」みたいなノリで結婚報告をされ、感覚の違いを痛感し別れを決意。充の恋愛相談役だった翔吾は、ずっと充がフリーになるのを狙っていたので、この隙に付け込み2人は付き合うことになる。光一は何故充が別れたいと言うのか理解できず、執拗に追いかける。光一への情を断ち切れないでいる充は、追いかけられることを内心喜びながら、翔吾の優しさに甘える日々。話が進むほどに沼の深みへとハマっていく3人でしたが、最終的には収まるところに収めてしまうともち先生の手腕に唸らされました。
光一はもう、こういう人間として出来上がっちゃってて、一朝一夕には変われないだろうから、この状況はむしろ哀れです。個人的には翔吾を応援したかったけれど、そもそも充の寂しさに付け込んでモノにしようとした訳だから、どんな結果になっても文句を言う資格はない。充はどっちも手放せず、結果翔吾を裏切ってしまったことを反省しているようだから、2人と別れてしばらく謹慎でもするのかなと思ったら、なんと光一と撚りを戻すという意外な展開!光一に怯えながらも離れないところに、ただの心の弱さとは別に、病的な何かを感じました。過去に何かあったのかな?
2巻描き下ろし「11/28」が何のことだか最初わからなかったけれど、1巻の1ページに答えがありました。充がカレンダーに書き込んでた~。充との別れで自分にどんな問題があるのかとモヤモヤしているはずの光一。充からのハピバメールが遂に来なかったことで、余計その想いを強くしたはず。光一とも上手くやれそうな受けがチラッと出ていたので、彼らのスピンオフとか読めたらいいなと思いました。
1巻には「のまれた朝、ふるえる熱」という前後編も収録されていました。こちらはほんのりコメディ調。思春期真っ只中の幼馴染カップルのお話。結局ただのすれ違いだったにしろ、主人公の優にはちょっと同情しちゃいました。今は「可愛いな~」で済んでいるけれど、攻めのコウちゃんはコミュ障何とかしとかないと、社会に出たら苦労しそう。
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