悪役令嬢の中の人
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悪役令嬢の中の人

まきぶろ/紫真依

二巻は☆2

2024年2月3日
転生ものはよくあるが、この作品は転生先の元の人格(魂)の視点で進むという設定でキャラクター造形やストーリーが面白い。正直なところ文章は読みづらかったり、描写が淡々とし過ぎていたりする点はあるけれど、それを補うほど物語の内容が魅力的で、一巻時点での評価は☆5でした。
ところが二巻は真逆の評価をつけざるを得ない。

一巻で本編・番外編含めて綺麗に終わっていたので、二巻が出てびっくりして購入。いったいどんな展開があるのだろうと期待していただけに、落胆が大きかったです。
二巻の約半分を占めるメインの話は、一巻で描かれた本編の補足のようなもの。ざっくりと飛ばされていた冒険譚を詳しく描いたような形だったけれど、それにしては締めくくりが尻切れトンボでページを飛ばしてしまったのかと何度かページを捲り直したくらい。
その他の短い番外編についてはザマァされた側のぐだくだとした後悔(懺悔)がワンパターンで、それも残念でした。ワンパターンの後悔×三人分は流石にきつい。レミリアとエミの再会までの経緯が詳しく知れたのは唯一良かったけれど、どうせならば再会(生まれ変わり)後の話や義弟夫婦の話など幸せな話を沢山読みたかったなと。
これならば「二巻」でなく「番外編集」などと銘打っていた方がまだ良かったのかなと思います。一巻が大好きだっただけに、本当に二巻が残念です。(二巻の評価でつけてしまうのが勿体無いので、評価は一巻時点のものでつけました)
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