ギヴン
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ギヴン

キヅナツキ

柊-mix映画化、番外編10年後

ネタバレ
2024年2月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ アニメから原作に辿り着きました。「いいね」の多いレビューほど低評価で、その理由にも納得します! 良く言えば余白が多く、画力で伝える作品です。逆を言えば、分かりにくい。特に、由紀が◯殺した理由がはっきり描かれてない。(登場人物の設定が4コマで描かれるくらいだから、理由や人物像はあるはず) そして、主人公カップルのイチャイチャが少ないから、立夏を推す読者としてはウジウジする真冬にイラつくのも分かる。もともと真冬は音楽以外での自己表現や意思表示が苦手だから仕方ないんだが。個人的に、立夏が懐のデカいピュアボーイで好感が持てるから、分かりやすく幸せになって欲しい! 由紀=真冬にとって唯一無二の存在、2人で完結している、お互いのために存在している…なんて聞いて気にならない訳がない。でも「由紀のことは分からない」と言いつつ、由紀が真冬に作りたかった曲を完成させて贈るとか…イイ男すぎる。(絵の修復に例えた話がグッと来た)それを立夏に持ちかけた柊もなかなか酷な提案をしたもんだ!いっそシズちゃんくらい「柊の隣にいるため(音楽をやる)」って断言する方が清々しい。キュンとくる。 タイトル「ギヴンgiven」は元カレのギターを貰ったから?立夏(由紀)から曲を贈られたから?音楽の才能を与えられたから?……恐らくいろんな意味合いが込められていそうだ。そして、真冬や立夏の思いが向かう先は、結局のところ相手への愛情なのか、音楽への愛なのか?真冬はプロポーズっぽいことを言っているけど、「音楽に残る」とか「音楽の中に君がいる」みたいなことを言われたら、いつか離れても音楽があるから大丈夫!みたいに聞こえて不安になる。 とは言え、自分が★5つの評価をしたのは、なんだかんだ言っても作品の余韻に浸り、考察したいと思う熱量が持てたから。全てが分かりやすく描かれていたのなら、もしかしたら読み返したい作品にはならなかったかもしれない。 ただ、この声が作者様に届くなら、立夏が真冬を想う気持ちは丁寧に言語化してほしい!!音楽(シーン)で伝える抽象的な表現は分からない。ただ、アニメ主題歌•挿入歌は原作の世界観を補完していると思うし、柊mixの映画化や番外編で10年後が描かれる連載が始まり…読み解けなかった部分、消化不良な部分が分かるのかなという点では期待しています。
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