栞と紙魚子の生首事件
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栞と紙魚子の生首事件

諸星大二郎

根源的な恐怖

2014年2月3日
諸星先生は、カーテンの影がオバケに見えた子供時代の「畏れ」を大人に追体験させることができる稀有な作家だと思う。舞台は日本だが、「理不尽で不気味で得体の知れない日常の裏側にいる畏れ多いけれど直ちに害はない何か」は異国の読者とも共有できそう。登場人物は皆のどかで、拾ってきた生首を水槽に入れて餌やりなどしている。ごく自然に。シュールという言葉で片付けることの出来ない作品です。
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