このレビューはネタバレを含みます▼
ヤクザから足を洗ったもののヤクザ御用達の道具屋をしている源慈は、雪の大晦日に怪我をした子猫を拾います。いじめられて傷ついた子猫は琥士郎と名付けられ、源慈の下で立派な豹に育ち、さらに自在にヒトのオスにも変身するのでした。あっという間にガタイ良く育った琥士郎は元気一杯で、自分で見つけてきた土方の仕事をしています。そんな琥士郎に発情期かやって来ます。すぐ変化してしまうので学校に行けなかった琥士郎は発情期も自分の身体のこともわからなくて苦しみます。仕方なく源慈が手を貸してやるものの、それが習慣となってしまい琥士郎は源慈への恋心を自覚するのでした。そこに突然、琥士郎の兄を名乗る者が現れます。かつて愛妻を死なせてしまったのは自分のせいだと自責の念に執われる源慈は、愛する者との別れが耐えられず琥士郎を連れて逃げ出します。ぶっきらぼうだけど真面目で優しい源慈と中身は幼いままのピュアな琥士郎の物語は『MO DS』『NIGHTS BEFORE NIGHT』ともリンクしていて冒頭には一条組を継いだ雪鷹が、また雀荘を経営する時雨がちょこちょこ登場します。また小さな豹だったり耳と尻尾だけ残っていたりの幼い琥士郎がなんとも愛くるしいです。アウトローにモフモフ、素直なおチビと盛り沢山のお話はハラハラしてきゅんとしてほっとする楽しいお話です。