スピンオフで会いましょう【単行本版(シーモア限定描き下ろし付)】
理性的で、恋に真摯な癒し芸能界BL





2024年2月9日
悪意ある人物が出てこず、心が苦しくなるような展開もなく、ゆっくりと恋を育む芸能人ふたりの癒しBLでした。攻めは「顔がいい」「清潔感があるのにエロい」と言われるモデル出身の実力派俳優。口に出す言葉を慎重に選ぶタイプで、口数少なめです。受けはアイドルグループの顔面SSR愛嬌担当。こっちは口に出したあと家に帰ってから「しまった~~」と落ち込むタイプの気づかい屋さん。慎重派と積極派の2人のバランスがちょうど良く、ドラマのダブル主演に抜擢された2人が撮影を通して仲よくなっていく展開にホッコリしました。ふたりとも自分の気持ちに正直で、気持ちを偽ったりしないから、好きだと思ったタイミングで告白に至っていて、自覚までが遅かったけれど、恋愛の雰囲気が高まってから告白までは早かった。あ……!顔が良すぎると【断られるかも】って可能性に至らないんのか…。大事なのは、自分の気持ちが友情なのか恋情なのかっていう確認だけだったんだな。駆け引きがない分、真摯に向き合って、恋人としても俳優としても2人が成長していく姿がとても良かった。下巻で恋人同士になってからも、すぐ体を繋げようとせず、お互いの仕事スケジュールを確認しあっていたのが本当に……ありがとう……最高……。アイドルとしてのお仕事についてもたんまり描写されていて、恋愛と、ファンを大事にする事は両立できるんだと、態度で示してくれていたし、ついにはグループメンバーとマネージャーにうっかりバレするものの「恋におちたんならしゃーない」くらいの受け止められ方で、軋轢なく、ますます魅力を増していくグループメンバーたちのワチャワチャに癒しを感じました。グループメンバー達が実家のような肯定感を与えてくれているから、受けが愛嬌たっぷりにアイドルとして輝けるんだなあ。そしてグループメンバーみんな攻めのこと大好きで笑った。軽率に写真いっぱい撮ってどんどんSNSでファンに投下してほしい。とんでもなく面白かったから、続編希望します!ご馳走様でした。

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