憐れなβは恋を知らない
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憐れなβは恋を知らない

屋敷シマ

凉晴が人間らしさを取り戻せて良かった

ネタバレ
2024年2月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 普段レビューしないのですが、最終話もう感情が爆発してここに吐露します!ネタバレ多め!
いやー、凉晴可愛かった!「伊勢崎家の執事」という鎧をかぶってロボットのように完璧執事をこなしてたくせに、それを脱ぎ捨てたらあんな乙女になるんかーい!あの能面は「家」に作られたものだったのね。
凉晴にとって執事でいることは、瀬乃の家で生きる上で当然の選択で、父に愛される手段で、凌介のそばにいる唯一の方法で。一目で心を奪われてから全てを捧げて、自分ほど凌介に奉仕できる人はいないという矜持が凉晴を支えていて。軟禁されて快楽漬けにされてお前はもう執事じゃないと言われて、それならいっそ殺してくれと言うほど、執事としての覚悟だけが唯一自分が選んだもので。
欲を捨てろと教えられてきた凉晴と、欲を実現するように生きてきた凌介。どちらもやることが極端で、分かり合えなくて、ぶつかりながらそれでも少しずつお互いのことを知って、最後2人で前進したのが感動的でした。凌介は凉晴を取り巻く「家」を作り変えて、凉晴は父親からの支配から脱却して、最後に残った凉晴の執事としての覚悟を凌介が優しく肯定してあげたのが、もう泣けた。
最終話は凉晴パパを攻略したので、凌介さまにも余裕が見られましたね。「パパに怒られるかな」がめちゃツボで。無理やり体をつなげた時は「(父に)叱られる」と怯える凉晴の奥をガン突きしながら「お前は誰のものなんだ?」ってお怒りでしたもんね。「親公認の彼氏」発言も好き!その軽口の裏で「やっと手に入れた」と激重執着感情を噛み締めてるの、安定の凌介様でした。
あと再会の場所があの温室っていうのが!1巻表紙裏で、小学生時代になかった温室が、大学時代に建ってて、これ絶対貢ぎ物ですよね。植物園みたいなバカでかい温室。。独占欲強強だけど、凉晴の喜びは全部自分があげたいって言うのが、凌介様の本質なんだろうな。
恋人になって、溺愛が加速する妄想が膨らんでヤバい。きっと凉晴はこれから執事と恋人の公私の区別をどこでつけるか、甘い悩みに襲われることでしょう。
はぁあ、凌凉最高。「執事=恋人になれない」なら、「執事=恋人」が成り立つ世界線つくる凌介様、スパダリがすぎる。結ばれたと思ったら何度も地獄に突き落とされて、それでも軌道修正して外堀を埋めてく執念深さ…好き!
仕事が手につかないので、続編お願いします!いくらでも課金します!
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