瞞-ばん-【デジタル特装版】
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瞞-ばん-【デジタル特装版】

長船

『瞞』片目を閉じて、あざむく

ネタバレ
2024年2月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ イヤミスが好きな方向け、スカッとしないじくじく後悔と不安が続く後味、バッドエンド確定の予感、自業自得の悲劇、美しいダメ男が見たい方……充分覚悟してから読まれるのをお勧めします。個人的には妙に癖になる好きな作品です。
【黒髪麗人の酒屋若旦那×栗色髪で能楽?の見習い演者】

攻めは子どもの頃のトラウマで、人を愛すこと、家庭を持つこと、商売を継ぐことに意欲も自信も持てない傷付いた人です。

酷い事をしても好きでいてくれる受けの一途さに恋に落ちます。素の自分を許し愛してくれる受けを手放せない。

ここまでならハッピーエンドなんですが……時代と立場的に周りが良かれと思って女性と結婚させます。攻めは流されるまま……不倫スタート💦
真っ当な道を周りに支えられ、無理に歩かされる攻め。決断できず不実な攻めがもちろん悪いのですが、全員参加で不幸が出来上がっていったように思いました。

お嫁さんは親友の店の関係者で、何やらこちらも辛い過去がありそう。親友の方に恩義を感じて嫁入りしてきた?攻めに自分と似た不幸の影を感じ取り、支えたいと思っている様子。恋愛感情とはちょっと違うような……?子どもが出来てからは繋ぎ止めたいと思ってるっぽい?

結婚して子どもに恵まれ商売も繁盛、そしてすべてをあざむいて男性の恋人も愛している。全部手に入れたのに罪悪感で苦しんでいます。「瞞」という漢字の成り立ちは、片目を閉じて、はっきり見えない様子なんだそう。幸せに見えて不幸せ、真実は見えない……見たくない。自分も周囲もあざむく、タイトルに相応しい作品でした!
特に絵が素晴らしく美しかった!!ストーリーと時代設定がちょっと粗削りな印象です💦
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