さよならだったらよかった
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さよならだったらよかった

井波エン

黒タイツに秘めた報われない想い

ネタバレ
2024年2月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 美大生の朔×元作家志望の圭吾。幼馴染みの隆司への恋心を胸に秘めている圭吾は、隆司の弟・朔に抱かれることで報われない想いを慰めている。すべて知っていて進んで圭吾の元に通う朔もまた言えない想いを抱えていて、重ならない想いが切なく苦しい一方通行の恋。繊細な絵とストーリーが合っていてすごくよかった。圭吾が朔に抱かれて徐々に気持ちを傾けながらも、隆司への想いに終止符を打つまでがじっくり描かれていてとにかく切なかった。圭吾目線で進むけど、最後まで読むとただただ朔の健気さが際立つな。自由に生きているようで、自分の気持ちは後回しでひたすら圭吾を守ろうと尽くしていた朔に泣けた。この献身が報われて本当によかったです。男性用下着に黒タイツというアンバランスさに圭吾の苦しい想いが詰まっていて、やっと素のままで抱き合えた二人にじんわり。
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