雨傘で凌げないほどの恋
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雨傘で凌げないほどの恋

ARUKU

アウティングの加害者×被害者

ネタバレ
2024年2月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 人気ジャーナリストの天花寺×滅びゆく言語の翻訳家・五映。学生時代にほのかな恋心を抱いていた天花寺から突然アウティングされて以来、息をひそめて生きてきた五映。二度と会いたくなかった憎い男は20年振りに五映の前に現れて、謝罪と共に「彼氏にしてくれ」と言い寄ってくる。どうしようもない心の傷と隔たりを抱えるいじめの加害者×被害者。不憫な主人公を描かせたら天下一品の作者さんなので、今回も五映が哀しくて辛くて、胸がぎゅっと引き絞られました。天花寺が深く考えず悪気なく口にした一言で、こんなにも五映はボロボロになって、一度壊れた心は元には戻らない。どれだけ惹かれても愛してもそれを言葉にすることが五映にはあまりに難しく、どうしたら幸せになってくれるのか、途方に暮れるような気持ちになりました。泣けた…。また女がほんっとに余計なことをして、もうぶん殴りたい。天花寺は全力で五映を愛して、世界一幸せにして、幸せになって欲しい。
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