大人の甘さのフランス焼菓子

ネタバレ

2024年2月28日

このレビューはネタバレを含みます▼ ライターの木下創一は取材のために人気パティシエの店を訪れます｡気難しいと噂のパティシエ•冷泉仁は美しい顔に取り付く島もなく何も聞き出すことができません｡仁と双子の愛から､創一の髪色が亡くなった愛犬コムギとそっくりなせいで仁か過剰に反応したのだと聞いて､創一は閉店してからもう一度店を訪れます｡｢髪､触りますか?｣と創一は思い切って仁に持ちかけ､仁は｢いいのか｣と､創一の髪をもしゃもしゃしながらやっと色んなことを話してくれるのでした｡両親を亡くしてフランスで祖母と暮らした日々や祖母の作るお菓子､淡く幼い初恋などが語られます｡初対面の人間に死んだ愛犬の面影を見出したり､早い時点でのおまえ呼び､創一呼びが普通にできてしまう新しいタイプのコミュ障です｡初雪や桜吹雪などここぞのシーンはとてもエモく､エロも軽めでサクッと終わります｡仁とは正反対の明るい愛と､双子の幼馴染の誠との『ピーチメルバ』は､3人が小学生の時のエピソードから始まります｡プリンとチューリップ､甘くて優しい陽だまりみたいなお話でした｡

違反を報告する

いいねしたユーザ1人

pug さん

(女性/－) 総レビュー数：202件

レビューをシェアしよう！