スモークブルーの雨のち晴れ
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スモークブルーの雨のち晴れ

波真田かもめ

淡々と穏やかな…

ネタバレ
2024年2月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●現在4巻まで刊行されていますが、ひとまず2巻まで拝読しました。作者さんの別の作品で、今回と同じタイトルでレビューを書き、★3をつけました。そのときは、この淡々とした雰囲気が自分に合わないのかなぁ?などと思っていましたが、本作を拝読して、きっとそれ以外のところに理由があったんだなと思い直しました。
●淡々と穏やかに時間と会話と感情が流れているこの雰囲気。40歳を前にして、不惑とは程遠い二人。めちゃくちゃ親近感が湧きます。自分のこと、相手のこと、親のこと、家のこと、家族のこと…いろんな“惑い”が押し寄せる年頃です。加えて彼らにはセクシャリティという“惑い”も。それらの惑いや揺れを、とても繊細に描いて下さっているなぁという印象です。
●バリバリのサラリーマンだった二人が、それぞれの理由で辞めて、ルーズに髪を伸ばしてる姿になんだか憧れます。仕事に関しては少し前を歩く久慈、再会して影響されて、未来に目を向けられるようになった吾妻。いいですね。本当に、彼らの人生の一部を覗かせてもらってるような、こちらも自分の胸の中にある何かに気付かせてもらえるような、そんな感じ。
●お互いに「好き!めっちゃ好き!」みたいな若々しく弾けるような気持ちじゃないのがまた良い。平凡な言葉で言うと「オトナの恋」という感じです。そして「家族」という形にも近いような気がします。3巻は同居生活から始まるのかな。二人がどんな時間を過ごしているのか、楽しみです。
●1巻の表紙のスモーキーブルー、美しくて好きですが、これはだんだん明るくなっていってるんですね!最後は真っ白??そして二人の距離感は巻が進むごとに近くなっていますね。何巻くらいまで続くのかな…表紙も引き続き楽しみです。
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